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考える技術・書く技術
- 12.8 時間
- 読みづらいのと、内容もそこそこ難しいので読む人を選びそうな本だった
- 読み手に寄り添うために、どういうことに気をつけなければならないかというのがたくさん書かれているが、意識していない or 甘いものもたくさんあったので、そこは勉強になった
- 読み手の作業を楽にするため
- ピラミッド型の展開は、読み手の頭の中で起こる基本的なメカニズムを反映している
- 人間は頭の中で、自動的に一定の規則に従って情報を整頓しようとする
- 最初に、関連性を持つ物事を同じグループとして認識しようとする
- 次に、グループ内の関連付けの論理を具体的にする
- この 2 つがあらかじめできている文章だと読みやすい
- まず全体を要約する考えを述べ、そのあとに個々の考えをひとつひとつ説明していく
- 読み手はトップダウンに考えを記憶しようとする。トップダウンで書き手の考えが示されていれば、読み手はより容易に理解できるようになる
- ピラミット構造の 3 つの鉄則
- どのレベルであれ、メッセージはその下位グループ群を要約するものであること
- 各グループ内のメッセージは、常に同じ種類のものであること
- 各グループ内のメッセージは、常に論理的に順序付けられていること
- 論理的な並べ方は 4 つの方法しかない(詳細は 6 章)
- 演繹の順序(大前提、小前提、結論)
- 時間の順序(1 番目、2 番目、3 番目)
- 構造の順序(北から南、東から西、など)
- 重要度の順序(1 番重要なもの、2 番目に重要なもの、など)
- ピラミッド内部の関連性
- メッセージは縦方向に関連性を持つ(Q&A 形式)
- メッセージは横方向に関連性を持つ(帰納法 / 演繹法)
- 頂上ポイントは読み手の疑問に答える
- 導入部は読み手に疑問を思い出させる
- 縦の関係を通して、Q&A(質疑応答)の対話形式で答えの理由付けを行っていく
- あなたのメッセージは必ず読み手に疑問を生じさせなくてはならず、その疑問は 1 段下のレベルで横並びで答えられなくてはならない
- また、縦の関係を眼に浮かべることで、自然と自分の考えを整理できる
- 1 段下のラインで何を言うかを決めるためには、それらのポイントが上位ポイントの疑問に対して、単に答えるだけでなく、論理的に答えることが必要
- すなわち、帰納的論理か演繹的論理か、どちらかの方法を用いて論理的に答えなければならない。両方をまぜこぜにしてはいけない
- 読み手の文章への興味を確実なものにするために、導入部で疑問の本質をはっきりさせることが必要
- 古典的なストーリー展開を用いる
- 古典的なストーリー展開
- 状況: まず状況の時間と場所を設定する
- 複雑化: 状況の中で何か が起きる
- 疑問: この複雑化によって、読み手は疑問を抱く
- 答え: 疑問に対して、あなたの文章が答えを与える
- 手順は p30 に詳細の記載あり
- ピラミッドを作る
- 主題(テーマ)を明らかにせよ
- 「疑問」が何かを決めよ
- 「答え」を書いてみよ
- 「状況」と「複雑化」によってその「疑問」が導かれるかどうかをチェックせよ
- 「答え」が妥当かどうかをチェックせよ
- キーラインを埋める作業に取りかかれ
- 3 つのステップ
- あなたが言いたいポイントをすべてリストアップしてください
- それらのポイント同士にどんな関係があるか考えてください
- そこで結論を導いてください
- まず、トップダウン型に考えを構成することから始めなさい
- 導入部を考える際には、「状況」をそのスタートポイントとして利用しなさい
- 導入部を考えることを 省略してはなりません
- 過去の出来事は常に導入部に書きなさい
- 導入部の記述は、読み手が合意する事項に限定しなさい
- もし選べるのであれば、キーライン・レベルでは演繹法よりも帰納法を用いなさい
- 帰納的説明のほうが演繹的説明よりも読み手にとって負担が少なく、理解しやすい
- 導入部を書く
- 「状況」を述べよ
- その状況で「複雑化」が発生し
- その複雑化が「疑問」を引き起こし
- その疑問に対し、あなたの文書が「答え」を出す
- 冒頭の導入部は、伝えたいメッセージ構造の外側、ピラミッド頂上部を囲む円と考えることができる(P48)
- なぜストーリー形式なのか?
- 読み手の頭の中の雑念を追い払い、あなたの伝えようとすることに集中しやすくする、そのような仕掛けを読み手に提供する 必要がある
- 導入部で、読み手の頭の道順を効果的に支配する
- また、読み手が合意できるポイントからはじめることで、読み手はあなたの考えに対してより柔軟な態度をとれる
- 「状況」の記述をどこから始めるか?
- 「状況」の記述は、主題に関する記述からはじめる
- これは読み手が合意するだろうとわかっていることでなければならない
- 「複雑化」とは何か?
- 導入部の「複雑化」とは、多くの場合「問題」ととらえてかまわないが、厳密に言えば異なる
- あなたが伝えようとしている物語の中で起こる状況の「複雑化」であり、これが緊張を発生させ、疑問の引き金となる
- 「状況 - 複雑化 - 解決」という構成は不可欠だが、順番は変えても良い
- 「キーライン」とは?
- ピラミッドの「キーライン」の役割は、「主ポイント」に対して発せられる新しい「疑問」に答えを与えられるだけでなく、文書内容の展開を明らかにすることでもある
- 導入部の長さは?
- 導入部は、読み手をあなたの考えへ導く前に、あなたと読み手が「同じ土俵に立っている」ことを確信できるくらいの長さがあれば十分
- なので、導入部の長さは、その後に続く本文の長さとは必ずしも関係があるわけではない
- むしろ、読み手の必要性と関係がある
- キーラインに導入部は必要か?
- 本文の導入句と同じように、それぞれのキーラインポイントにも導入部分があるべき
- 本文の導入句に比べればかなり簡略化する必要があるが、同じく「状況 - 複雑化 - 解決」の手法を用いる
- よい導入部を書くための理論(まとめ)
- 導入部とは、知識を与えるためのものではなく、思い起こさせるためのもの
- 導入部に内容が妥当かどうか説得しなくてはならないようなものを含んではいけない
- 導入部にはストーリーの 3 要素を常に含ませる
- 状況・複雑化・解決
- 導入部の長さは読み手の必要性と文章のテーマによる
- 読み手の「疑問」には、いくつかの共通パターンがある。結論から言うと、あなたの書く文書は原則として次の 4 つのいずれかの疑問に答えようとしている
- 我々は何をすべきか?
- 我々はそれをどのように実行すべきか?
- 我々はそれを実行すべきか?
- なぜそのようなことが起きたのか?
- 実際の文書を見ると「何をなすべきか?」について書かれたものが多い。よく見かけるのは以下の 4 つのパターン
- 方針を与える(何をすべきか? あるいは、どのように実行すべきか?)
- 状況: 我々は X をしたい
- 複雑化: あなたに Y をしてもらう必要がある
- 疑問: どのようにして Y を行うか?
- 支出の承認を求める(それを実行すべきか?)
- 状況: 我々は問題を抱えている
- 複雑化: 我々は解決方法を有しているが、それには...ドルの出費がかかる
- 疑問: 私は承認すべきか?
- 「ハウツー」を説明する(それをどのように実行すべきか?)
- 状況: 行動 X を実行しなければならない
- 複雑化: そのための体制ができていない
- 疑問: どのようにしてその体制を作るのか?
- 選択肢の中から決定する(何をすべきか?)
- 状況: 我々は X をしたい
- 複雑化: そうするために、いくつかの選択肢がある
- 疑問: どの選択肢が最も適切か?
- 「提案書」と「進捗状況報告書」の例あり
- 論理的に理由づける
- 演繹法は一本の理由づけラインで展開する
- 帰納法は類似の考えや関連する行動をグループ化する
- キーラインレベルでは、帰納法の方が演繹法よりも望ましい
- 考えを深める上で有効である反面、書くという側面から見れば多少重苦しい方法とも言える