例解 和文英訳教本 (文法矯正編)

概要

かかった時間

  • 英作文覚える時間を別にすると 40 時間くらい

感想

  • 解説丁寧でわかりやすかった
    • 細かいニュアンスの違いが丁寧に説明されている
    • これまで習っていた内容に対して、別のわかりやすい視点をもらえた
    • 文語体・口語体についての解説も豊富
  • 基本すぎる内容はスキップされているのもよかった

読書メモ

第 1 章: 時制

1: 現在形

  • 現在形は原則的には半永久的なことを表す
  • 「半永久的にすること = 職業」なので、What do you do? は「ご職業はなんですか」となる
    • しかし、この答えに I'm a student. と答えてもよい
    • 永久に学生をやっているわけではないが、現在形では「しばらく続けているもの」=「安定的なこと」を表せる
    • これが「永久」と言わず「半永久」となっている理由
  • なので「不変の真理」や「習慣」についても現在形で表せる
  • ただし、be 動詞や have 動詞を中心とする、いわゆる状態動詞と用いる際には例外的に「現在のことを表す」こともある
  • ★ 現在形とは
    • 原則的に半永久的なことを表す
    • 状態動詞(主に be 動詞と have 動詞) → 半永久的なこと or 現在のこと

2: 進行形

  • 現在形と現在進行形の違い
    • a: I go to school every day. <現在形>
    • b: I'm going to a driving school now. <現在進行形>
    • 安定したニュアンスを表すなら現在形、一時的な出来事を表すなら「不安定さ」を内包する進行形がふさわしい
  • 進行形の特徴
    • 活動中
      • My father writes novels. <永続的>
        • 父は物書きである
      • My father is writing a novel. <活動中>
        • 父は小説を執筆中だ
    • 不安定・一時的
      • You are very kind. <永続的>
        • 君は(いつも)とても親切な人だ
      • You are being kind today. <一時的>
        • 今日はいつになく親切だね
    • 未完了
      • The patient is dead. <永続的>
        • その患者はもう亡くなっている
      • The patient is dying. <未完了>
        • その患者は死にかけている
    • 感情的
      • Tom usually complains. <客観的>
        • トムは普段から愚痴が多い
      • Tom is always complaining. <感情的>
        • トムは文句ばかり言っている
  • think の現在形と現在進行形の違い
    • think の目的語が that 節のときは現在形しかありえない
    • think about 〜 や think of 〜 の場合は現在形も現在進行形も両方可能
    • 現在形の場合は「日頃からの自分の意見」、現在進行形の場合は「一時的思考」を表す

3: 状態動詞と動作動詞

  • 動詞には大きく 2 種類ある
    • 状態・心理・無意識な知覚などを表す状態動詞
    • 動作・意識的な知覚などを表す動作動詞
  • 状態動詞の主なもの
    • 状態
      • be / have / belong / consist / contain / differ / exist / own / possess / resemble
    • 好き嫌い
      • like / love / prefer / hate / hope / want / wish
    • 思考
      • believe / consider / doubt / fear / find / imagine / suppose / think
    • 認識
      • forget / know / recognize / remember / trust / understand
    • 知覚
      • see「(自然に)〜が目に映る」/ hear「(自然に)〜を耳にする」
  • 状態動詞は原則的に進行形にできない
  • ただし、「一時的な状態」を強調する場合は進行形にできる
  • 他にも状態動詞と動作動詞で意味が異なる場合は、進行形にできるものもある
    • 例 1
      • Catherine has blue eyes. <状態動詞>
        • キャサリンは青い目をしている
      • Catherine is having sandwiches. <動作動詞>
        • キャサリンはサンドイッチを食べている
    • 例 2
      • Biff looks exactly like his father. <状態動詞>
        • ビフは父親にそっくりだ
      • Biff is looking at Sally. <動作動詞>
        • ビフはサリーの顔を見ている
    • 例 3
      • I can see Sirius. <状態動詞>
        • シリウスが見える
      • I am seeing her parents on Sunday. <動作動詞>
        • 彼女の両親と日曜日に会う予定だ
  • 「着る」の場合、状態動詞は wear で動作動詞は put 〜 on

4: be 動詞 + always + doing 〜

  • 進行形による批判的表現
    • be 動詞 + always + doing 〜: 四六時中〜ばかりしている
    • 現在形だと客観的、現在進行形だと感情的な表現になる
    • 現在進行形と always をともに使うことで、批判的な意味になる

コラム 1: and と but

  • アカデミックな書き方では、and や but などの等位接続詞(他にも or / so / for / yet / nor)の先頭を大文字にすることは敬遠される
  • But ならかわりに However を用いる
  • And「しかも、さらに」なら、And よりも Besides / In addition / Further / Moreover などを使う
    • これらはすべて堅い文語体だが、On top of that は口語体でも使える

5: 過去進行形 + when + SV

  • 「暗がりを歩いていたら、急に誰かに肩をたたかれた」をどう訳すか
    • 「歩いていた」の時制は過去進行形、「肩をたたかれた」は過去形で良いというところまではわかるが、この 2 つの文を when でつなぐ際、どちらの文を when 節に入れるべきか
    • また when 節は文頭に入れるべきかどうか
    • 普通に書くと a: When I was walking in the dark, someone tapped me on the shoulder. となるが、英米人の先生が書くと b: I was walking in the dark (,) when someone tapped me on the shoulder. となる
  • a と b の違い
    • b のほうが後半で「突発的に何かが起きた」という感じがでる
    • When + SV とすると、主節の SV の存在が予想できるので、先にオチがわかってしまう
    • b のほうだと、when が来るまでは、もう 1 つ文が続くことが予想できない
  • 過去進行形 + when + SV
    • ただし、どんな文でも when 節を後半にすれば、突発性が出るわけではない
      • 前半の文の時制が過去進行形か was (just) about to do 〜 でなければならない
  • ★ 過去進行形 + when + SV
    • 1: S1 + was doing 〜 (,) when S2 + (suddenly) + V(過去形) ...
      • S1 が 〜 してたら、(突如) S2 が ... した
    • 2: S2 + was (just) about to do 〜 (,) when S2 + (suddenly) + V(過去形) ...
      • S2 が 〜 しようとしたら、(突如) S2 が ... した

6: 現在完了(継続)

  • 過去形は「今」を含まない
    • 「過去のある時点から現在に至るまで続く状態」を表すのが「現在完了」(have + p.p.)
    • have + p.p. の基本的な意味は「現在から過去を振り返る」である
  • from 〜 と since 〜
    • since は「時間の起点から現在まで」、from は「時間の起点」を示すだけで、この場合は普通「時間の終点」を表す to を使う
    • since は線分、from は点
  • 現在完了 4 つの意味
    • 継続・経験・完了・結果の 4 つであるが、よく考えると「継続」と「完了」は矛盾している
      • 現在完了の意味が 4 つのどれなのかを明示するために、何か副詞や前置詞句などを加えなければならない
      • 継続
        • I have lived here for ten years.
          • 私は 10 年間ここに住んでいる
        • I have been busy since this morning.
          • 私は今朝からずっと忙しい
      • 経験
        • Have you ever been to Europe?
          • ヨーロッパに行ったことがありますか
        • I have never read his book.
          • あの人の本は読んだことがない
      • 完了
        • I have just finished my work.
          • 私はちょうど仕事を終えたところです
        • I haven't cooked lunch yet.
          • まだ昼食を作っていません
  • 現在完了の意味の判別になる副詞(句)
    • 継続
      • for 〜: 〜間
      • since 〜: 〜以来(前置詞 or 接続詞)
      • How long 〜?: どれくらい〜?
      • always: 昔から
    • 経験
      • ever: これまで(疑問文のみ)
      • never: 一度も〜ない
      • before: 以前
      • often: たびたび
      • once: 一度、かつて
      • 〜 times: 〜回
    • 完了
      • just: たった今
      • yet: まだ(〜ない)(ふつう否定文で)
      • already: すでに
      • now: もう
  • 結果を表す現在完了だけは、このような副詞を伴わない場合が多い
  • 継続の現在完了は for や since などを伴うと書いたが、「幼い頃から」の訳は have always + p.p. だけでもよい
    • これだけで「昔から〜してきた」の意味になる

7: 現在完了(結果)と過去形

  • 結果を表す現在完了だけは、他の現在完了が伴うような副詞を伴わない
    • Emi has gone to Europe.
      • エミはヨーロッパに行ってしまった
    • Spring has come.
      • 春が来た
  • 過去形と結果の現在完了
    • 現在完了はその名の通り、「現在」に意味の重点が置かれる
      • have + p.p. の基本的な意味は「現在から過去を振り返る」
      • つまり、この時制で表される事柄は「現在もその状態が持続している」
      • そのため、Spring has come. は喋っている時点でも、まだ春ということになる
    • 一方 Spring come. だと「もう春ではない」を含意することになる
      • 「今」でなければ「いつだ?」ということになるので、過去形の文には文脈で明らかにわかる時以外は、「いつ?」に相当する語句が必要
      • 例: Spring came later than usual this year.
        • 今年は春の到来が例年より遅かった
  • ★「〜した」の時制
      1. 1.
        現在完了:「今」を含む
      1. 1.
        過去形:「今」を含まない →「いつ?」に相当する語句を伴う

コラム 2: 所有格

  • 所有格にできるのは原則として人間を表す名詞だけ
    • なので「歴史の試験」は history's test とはできない。the history test(exam) / a test in(on) history となる
  • 例外
    • 時を表す名詞
      • today's / yesterday's / ten minute's walk など
    • 地名・天体を表す名詞
      • Japan's land 日本の国土 / the city's population その都市の人口 / the earth's surface 地球の表面
    • 慣用表現
      • within a stone's throw 目と鼻の先で

8: 現在完了形(継続)と現在完了進行形

  • 現在完了進行形で用いる動詞は原則的には動作動詞だけ。状態動詞はだめ
  • 動作動詞を現在完了で使った場合、原則は「完了」か「結果」の意味になる。そして「完了したこと」や「結果」に重点が置かれる
  • これに対して、現在完了進行形は「行為そのもの」「プロセス」に重点が置かれる
    • つまり「それまで何をしていたのか」「それまではどういう状態だったのか」ということを強調する
    • I've done my homework. Now I can go out.
      • 宿題が終わった。これで遊びに行ける。
    • I've been doing my homework, so I'm really tired.
      • ずっと宿題をしていたのです。だからヘトヘトなのです。
  • 現在完了にするか現在完了進行形にするかの判断は、その後の文脈に依存することが多い
  • 過去進行形の注意点
    • 過去進行形は「期間を表す語句」と一緒に使えない
    • これは現在進行形も同様
  • ★ 完了形と進行形の注意点
    • 1: 動詞の種類
      • have done: done は状態動詞 or 動作動詞
      • have been doing: do は原則、動作動詞のみ
    • 2: 重点
      • have done (動作動詞の時):「完了したこと」「結果」に重点
      • have been doing:「行為そのもの」「プロセス」に重点
    • 3: 現在進行形・過去進行形の注意点
      • 進行形は「期間を表す語句」とは使えない

9:「〜してから x 年になる」

  • 「父が亡くなってから 10 年になる」を英語で書けるか
    • 1: My father has been dead for ten years.
    • 2: It has been ten years since my father died.
    • 3: It is ten years since my father died. (英)
      • イギリス英語では可能だが、アメリカ英語では since を使う場合は現在完了を用いる
    • 4: Ten years have passed since my father died.
    • 5: My father died ten years ago.
  • 「アルバイトを始めてから 1 週間にしかならない」の英訳
    • 1: I have only been working part-time for a week.
      • have worked の現在完了では不適切。行為そのものに重点が置かれているので、現在完了進行形が適切
    • 2: It has been only a week since I started working part-time.
      • 2・3・4 共通で since の中が I worked だと不適切。since の中は「起点」を表す動詞が入る。began でもよい
    • 3: It is only a week since I started working part-time. (英)
    • 4: Only a week has passed since I started working part-time.
    • 5: I started working part-time only a week ago.
  • only の位置
    • 1: 修飾する語句の直前
    • 2: not と同じ位置 → be 動詞や助動詞の後、have(had) と p.p. の間
  • 「もうすっかり仕事に慣れた」の時制は?
    • get used to (動作動詞) を使う場合
      • 過去形を使うと、「今」を含まないことになってしまうので、現在完了が正しい
      • I have already got used to it. となる
    • be used to (状態動詞) を使う場合
      • この場合、状態動詞の現在形は現在の状態を表すこともある
      • be 動詞の現在完了の形は、普通「継続」の意味になることが多い。また「継続」の意味であることをはっきりさせるために、for / since / always を伴うのが普通
        • 「結果」の意味になることはない
      • なので、I am used to it. が正しい

10:「最近」

  • 最近 / この頃 / 近頃、を表す英単語は大きくわけて 2 通り
    • these days / nowadays: 現在形(状態動詞の場合) or 現在進行形(動作動詞の場合)
    • recently: 現在完了(進行形) or 過去形
    • lately: 現在完了(進行形)
  • these days / nowadays は悠久の時間とも取れる、かなり長い期間
    • 例: These days the weather is changeable.
      • この頃は天候が変わりやすい
    • 「昔と違って最近は」の意味
  • 一方、recently や lately の時間的守備範囲はかなり短い。これらは「現在」という時間に近い
    • だから現在完了と用いることが多い
  • ★ these days と recently の使い分け
    • these days / nowadays:「昔と違って最近は」
    • recently / lately:「(狭い意味で)最近、ついさっき、この間」
  • 現在形と現在進行形
    • these days や nowadays は「半永久的」ともいえる長期間について言及しているから、現在形と使うのが原則
    • ただし、動作動詞の場合は、現在進行形にしたほうがよい

11: 大過去

  • had + p.p. が示す時制は 2 つあると考え、1 つが大過去、もう 1 つが(狭義における)過去完了という立場で説明する
  • 大過去とは
    • 「大過去」は「過去形で示される時点よりも前に起きたこと」を表すのに使われる
    • 例: Mary lost the ring I had given her.
      • メアリーは私があげた指輪をなくした
  • 大過去は単なる過去形でもよい
    • Mary lost the ring I had gave her. でもよい
    • 常識でわかるので
  • 事が起きた順に書くなら、すべて過去形でよい
  • 「昨日の数学の問題は思ったよりやさしかった」の「思った」の時制は?
    • 「問題が簡単だった」と判断した時点より前なので、大過去を使って had thought にしてもよいが、単なる過去形でも十分なので、単に過去形 thought でもよい。むしろこのほうが普通

12: 過去完了(完了)

  • 過去形と had + p.p. の違い
    • a: When we arrived at the station, our train left.
      • これだと「駅に着いた」時間と「列車が出発した」時間は同じということになる
    • b: When we arrived at the station, our train had already left.
      • これだと「列車が出発した」ほうが「駅に着いた」よりも前に行われたことがわかる
  • (狭義の)過去完了とは
    • 大過去の場合は単なる過去形で代用してもよかったが、(狭義における)過去完了は過去形では代用できない
  • 過去完了とは、過去のある時点までの「継続」「経験」「完了」「結果」を表す
    • 継続
      • They had been married for ten years when they had their first baby.
        • 第一子が産まれた時、2 人は結婚 10 年目であった
    • 経験
      • John had never seen a mirage till that time.
        • ジョンはそれまで蜃気楼を見たことがなかった
    • 完了
      • I had just finished my homework when he came in.
        • 彼が入ってきた時、僕は宿題をやり終えたところだった
    • 結果
      • Tomomi said he had split some coffee on the tablecloth.
        • 知美はテーブルクロスにコーヒーをこぼしたと言った
  • 過去の時点が示されているところが現在完了と異なる
  • ★ had + p.p. は 2 つある
      1. 1.
        大過去: 過去よりも前の過去を表す(単なる過去形でもよい)
      1. 1.
        過去完了: 過去のある時点までの「継続」「経験」「完了」「結果」を表す

13: 過去完了(結果)

  • 「結果」を表す過去完了
    • 日本語で言う「〜してしまっていた」という意味を出したいときに使う
  • あるいは過去完了とは「現在完了を過去の方へ平行移動させたもの」と考えても良い

14: 直説法と仮定法

  • ★ 仮定法の公式
    • 仮定法過去
      • If + S + [過去形 / were] 〜, S [would / could] + 動詞の原形 ...
    • 仮定法過去完了
      • If + S + had + p.p. 〜, S [would / could] + have + p.p. ...
  • 近い形と遠い形
    • 本書では直説法のことを「近い形」、仮定法のことを「遠い形」と呼ぶ
      • 「遠い形」はふつうの過去形も含む
    • 「近い形」は近いこと、すなわち「身近なこと」「現実に近い(= 現実にありえる)こと」を述べるのに用いる
    • 「遠い形」は遠い話、例えば「現実から遠い(= 現実にはあり得ない、起きにくい)」ことに触れるときに用いる
  • ★ 近い形
    • If + S + 現在形 〜, S + will + 動詞の原形 ...

15: 遠い形(現実から遠い)

  • この本では仮定法も時制の一種ということで説明する
    • そのほうが実践的
  • 現実に近い気分だったら「近い形」、現実から遠い気分だったら「遠い形」を用いる
  • 遠い形
    • そこで、仮定法に限らず、世間で過去形も呼んでいるものをすべて「遠い形」と改称したい
  • 遠いとはどういうことか
    • 「時間的に遠い」という場合
      • これが世間でいう過去形
    • 「現実から遠い」という場合
      • これが仮定法過去。「現在の逆」を表す
      • 例: I wish I were a bird.

16: 遠い形(人間関係が遠い)

  • 遠い形には細かく分けると 3 つある
    • 1: 時間的に遠い
      • 世間で言う過去形
    • 2: 現実から遠い
      • 世間で言う仮定法過去
    • 3: 人間関係が遠い
    • a: Can you tell me how to get to Central Park?
      • セントラルパークへの道を教えてよ
    • b: Could you (possibly) tell me how to get to Central Park?
      • セントラルパークへの行き方を教えていただけませんか
    • a の Can you 〜 ? は「近い形」だから、聞いている相手と人間関係は近い。つまり友達
    • b の Could you 〜 ? は「遠い形」だから、人間関係は遠い。つまり相手は見知らぬ人か、それほど仲良くない人だと考えられる
  • ★「遠い形」の 3 つの意味
    • 1: 時間的に遠い
      • いわゆる過去形:「時を表す副詞」と使う
    • 2: 現実から遠い
      • 仮定法過去
    • 3: 人間関係が遠い
      • 丁寧表現
  • 3 つの形の区別
    • 3 は「Could you do 〜 ?」か「Would you do 〜 ?」の形で表れるので、すぐに判断できる
    • 1 は「時を表す副詞」を伴うことが多い
    • 2 は if 節を伴うのが普通
    • また、1 は前後の動詞もすべて「遠い形」で統一するのが原則だが、2 は「遠い形」以外の動詞は、ふつう「遠い形」以外の時制を使っている場合が多い

17:「〜していただけませんか」

  • 「I was wondering if you could (possibly) do 〜」は「〜していただけませんか」の決まり文句
    • この was や could は「人間関係が遠い」ことを表している
  • wonder と進行形
    • wonder は「〜だろうかと思う」「〜をいぶかしく思う」という意味なので、遠慮がちにものを頼んでいるニュアンスになる
      • なので、肯定文でありながら疑問文的な意味を持つ
    • また進行形にすることで、より丁寧さが表現できる
      • -ing は「動く」というニュアンスがあり、その 1 つの場合として「心の中が動く」というものがあった
      • これによって、「こんなことを頼んでよいのかどうか」といった迷いの気持ちが表されて、より丁寧な表現になる
  • possibly をいれるとより丁寧になる
    • Could you possibly do 〜 ?
    • I was wondering if you could possibly do 〜

18: It is time S + 遠い形

  • It is time S + 遠い形
    • 「〜するべき時だ」には It is time SV 〜 という決まり文句があるが、この文の It is time の後ろの SV 〜 の動詞は仮定法過去にしなければならない
      • a: It is time you were married.
        • もう結婚してよい時期ですよ
    • ただし、主語が I の場合に、I were ではなく、I was になることに注意
  • ★ It is about / high time ...
    • It is about time S + 遠い形
      • もうそろそろ〜する頃だ
    • It is high time S + 遠い形
      • もうとっくに〜する頃だ、〜する潮時だ

19: 仮定法過去完了

  • ★ 仮定法の公式
    • 仮定法過去
      • If + S + [過去形 / were] 〜, S [would / could] + 動詞の原形 ...
    • 仮定法過去完了
      • If + S + had + p.p. 〜, S [would / could] + have + p.p. ...
  • 「過去において現実から遠いこと」を表すのが「仮定法過去完了」
    • if 節(If + S + had + p.p. 〜)
      • had: 現実から遠いこと
      • 完了形: 完了・結果を表す
      • あわせて「現実から遠い結果」→「現実にすでに結果が出てしまっていることの逆」
    • 主節(S [would / could] + have + p.p. ...)
      • would: 現実から遠いこと
      • have + p.p.: 現在から過去を振り返る
      • あわせて「過去に起きたことの逆」を意味する
  • 直説法過去
    • 1 つ注意として、if 節中が「遠い形」でも「時間的に遠い形」を示すこともあり、これを世間では直説法過去と呼んでいる
    • 例: If there was a happy person at that time, it was John.
      • あの時も幸福な人間がいたとすればそれはジョンだった
    • if 節中で was という「遠い形」を使っているが、at that time という「いつ?」に相当する語句を使っていることから、この「遠い形」は「時間的に遠い」こと、すなわち「過去の事実」とわかる
    • よって、この例文で「幸せだった人間」は実際に存在したのであり、決して架空のことではない

20: 仮定法過去と仮定法過去完了の合成形

  • If + S + had + p.p. 〜, S + would be (doing) ... (now)
    • 形式
      • If + S + had + p.p. 〜
        • すでに結果が出ていることの逆
      • S + would be (doing) ... (now)
        • 現在の状態の逆
    • if 節中が仮定法過去完了でも、主節が「現在の逆の話」だったら、仮定法過去になる
    • この場合、主節の動詞は圧倒的に be 動詞が多く、would be (doing) 〜 のパターンになる
  • なお仮定法過去は厳密には「現在の逆」というより「現在形の逆」である
    • すなわち動作動詞の場合には「半永久的なことの逆」であり、状態動詞の場合には「半永久的なことの逆」または「現在の逆」である

21: 現在形と現在進行形(予定)

  • 英語に未来形はない
    • 英語の動詞の活用は、原形・過去形・過去分詞・現在分詞しかない。未来形は存在しない
    • そこで will や be going to などで未来を表すわけだが、これらをまとめて「未来を表す表現」と呼ぶことにする
  • 未来 ≠ will
    • 3 人称が主語の will は通常「あまり根拠はないが自信満々の推量」を表す。つまり「予想」
      • 「予定」は確実に決まっていることであり、「予想」とは確実なことがわかっていない時にすること
    • 1 人称が主語の will は「その場でとっさに決まったこと」について言及する場合に使う。いわば「思いつきの願望」
  • 予定を表す現在形
    • 「予定」を表すには、ふつう will ではなく、現在形か現在進行形で代用する
    • 現在形で「半永久的に続くこと」を表せる
    • 毎日運行する「公の乗り物」や毎年行われる「公の行事」についての「予定」には現在形を用いる
  • 予定を表す現在進行形
    • こちらは公ではなく「個人の予定」を表す
  • 安定と不安定
    • 「公の予定」は安定しているが、「個人の予定」は不安定とも言える
    • 「安定」という特徴が現在形に符合し、「不安定」な特徴は現在進行形に符合する

22: 現在進行形(予定)と be going to

  • 現在進行形と be going to
    • 現在進行形は「個人の予定」を示すが、「スケジュール帳に書くような確定的なこと」でないといけない
    • be going to は「頭の中で決まっていること」なら何でもよい
      • 「スケジュール帳に書くようなこと」であろうが「スケジュール帳に書かないこと」でもどちらでもよい
      • そういう意味では be going to のほうが現在進行形よりも使える範囲が広い

23: I'll と I'm going to

  • ★ I'll と I'm going to の違い
    • I'll do 〜: その場でとっさに決まったこと
    • I'm going to do 〜: あらかじめ頭の中で決まっていること

24: 2,3 人称 + will と 2,3 人称 + be going to

  • 2,3 人称 + will
    • 「あまり根拠はないが自信満々な推量」に用いる
  • 2,3 人称 + be going to
    • 「状況から判断して起こる見込みが高いこと」に用いる
  • 2 人称 + will
    • 「あまり根拠はないが自信満々な推量」になる
    • You will 〜 だと 100% 推量だが、You will probably 〜 は 80 〜 90% 推量

25: if + S + 現在形 〜, S + will ...

  • ★ if 節(副詞節)内で will を使う場合
    • If you will 〜, SV ...:「〜する気があるのなら」
      • 主語は you に限る
    • If + S + will 〜, SV ...:「S が〜することにこだわるのなら」
    • If you will wait a moment, I'll go and get it for you.
      • 少し待ってくれるのなら、君のために取りに行きます
  • ただし、この場合でも無理やり if 節中で will を使う必要はないし、will を入れないほうが圧倒的に頻度は高いので、作文ではこの知識は忘れたほうがよい
  • if 節に対して、主節は(be going to ではなく) will を用いる場合が圧倒的に多い
    • 根拠がある場合でも will を使うことが多い

26: will(遠い未来)

  • 「〜する日もいつか来るだろう」の訳
    • The day will come when SV 〜 が使われる。when は関係副詞で、先行詞は the day
    • The day is not so far off when SV 〜 で「〜する日はそう遠くはない」という表現をよく用いる
  • be going to はいくら「根拠があって実現する見込みが高いこと」に使うと言っても、「近い未来の予測」にしか使えない
    • その点、will は「近い未来の推量」にも「遠い未来の推量」にも両方使える
  • will も be going to もあまり変わらない場合
    • 従節で使われる場合は、あまり変わらない場合もある。ただし、主節で使った場合ははっきり区別している場合が多い

27: 現在形と will

  • ★ 現在形と will の違い
    • 現在形: だれでも成り立つこと
      • 普遍的なこと、一般論
    • will: 特定の人にだけ成立すること
      • 個人の特定のこと
  • ★「〜するには時間がかかる」表現の注意点
    • It takes + 時間 + to do 〜
      • 一般論なら you を書かない
    • It takes + 人 + 時間 + to do 〜
      • 特定の人の一般論
    • It will take + 人 + 時間 + to do 〜
      • 「特定の人がやれば」という条件
  • ★ 期間に関わる for と in の使い分け
    • for 〜: 〜間
      • プロセスに重点
    • in 〜: 〜(間)で
      • 結果に重点
      • 日本語で考えて「で」が付いたほうが自然なら in と判断できる

28: 時制の一致の would

  • 時制の一致の原則
    • 主節の動詞の時制が過去形の時、従節の動詞の時制もそれに合わせて過去形に揃える
      • I think (that) it will rain.
        • 雨が降ると思う
      • I thought (that) it would rain.
        • 雨が降ると思った
  • 時制の一致の例外
    • 不変の真理を述べる場合
      • We were taught that the earth revolves around the sun. (現在形のまま)
        • 地球が太陽の周りを回ると教わった
      • ただし、不変の真理に関しては、時制の一致をすることもある
    • 歴史的事件を述べる場合
      • We were taught that the French Revolution broke out in 1789. (過去形のまま)
        • フランス革命は 1789 年に起きたと教わった
    • 従節に仮定法を用いる場合
      • I thought I could fly to him if I were a bird. (そのまま)
        • 自分が鳥なら彼のもとへ飛んでいけるのにと思いました
  • ★ through の後に続く名詞に注意
    • through + 具体物
      • 本当に中を通す
      • through the window はいいが、through one's cell phone は不可
    • through + 抽象名詞
      • 手段
      • through the Internet や through trial and error など

29: 未来進行形

  • 未来進行形: will be doing
    • 1: 未来のある時点において進行中の動作
      • At this time next year I will be studying at university.
        • 来年の今頃は大学で勉強をしていることであろう
    • 2: はっきり約束をしているわけではないが「成り行き上、起こりそうなこと」
      • I'll be seeing Tsuyoshi tonight, so I'll give him your notebook.
        • 今夜はツヨシと会うことになるだろうから、彼に君のノートを渡しておいてあげるよ

30: 未来完了(will have + p.p.)

  • 未来完了形
    • by the time 節と使う主節はしばしば未来完了になる
    • 未来完了とは「未来のある時点までの継続・経験・完了・結果」を表す
    • 継続
      • I'll have been here for ten years by next April.
        • 今度の 4 月までには 10 年間ここにいることになる
    • 経験
      • When I finish reading this book, I'll have read it five times.
        • この本を読み終えると、5 回読んだことになる
    • 完了
      • By the time you get here, I'll have left the country.
        • 君が着く頃には私は国を離れているだろう
    • 結果
      • I'll have forgotten all these things in ten years.
        • 10 年後にはこうしたことはすべて忘れているだろう

第 2 章: 助動詞

31: could

  • ★ could は「遠い形」
    • 1: 時間的に遠い:「〜できた」
      • 「いつ?」に相当する語句と使う
    • 2: 現実から遠い:「(...なら)できよう」
      • 前後の文は「近い形」
    • 3: 人間関係が遠い
      • Could you do 〜 ?「〜していただけませんか」
  • 「〜できた」は「was able to do 〜」や「managed to do 〜」で訳すという手もある

32: must と have to

  • cannot help doing 〜 は「反射的に〜してしまう」が基本的な意味で、「つい(思わず)〜してしまう」という訳語で覚えたほうが正しく使える
  • have to と must の区別
    • have to
      • 1 人称が主語の場合
        • 仕方なく〜しなければならない
      • 2,3 人称が主語の場合
        • 周囲の状況が課す義務
    • must
      • 1 人称が主語の場合
        • 自発的に〜しなければならない
      • 2,3 人称が主語の場合
        • 話者が課す義務
  • I must go と I must be going
    • 進行形だと must be doing 〜 / have to be doing 〜 / should be doing 〜 の形
    • 進行形のほうが、通常の形より切迫感が出る
    • I must go now.
      • そろそろ行かなきゃ
    • I must be going now.
      • もういい加減行かなきゃ!

33: must「〜に違いない」

  • 「〜に違いない」という日本語に近いのは must よりも will
  • must は「現状の推量」においては「〜に違いない」の意味になる
    • There must be about one hundred people in this room.
      • この部屋にはおよそ 100 人いるに違いない
    • My father must be working late at the office.
      • 父は残業しているに違いない
  • must を「〜に違いない」の意味で使うときは、十中八九 must be 〜 の形になる
    • また、この must を使う場合は推量するための確実な判断材料がなければならない
    • この点も(あまり根拠がない) will とは違うところである

34: may

  • You may 〜 の意味
    • You may 〜 と言われて真っ先に思いつく訳語は「〜したまえ」である
      • You may sit down. は「かけたまえ!」
  • May I 〜 ? だと「〜してもよろしいでしょうか」になる
    • may を「〜してもよい」の意味で使うのはほとんど May I 〜 ? の時だけ
  • may 〜, but ...
    • さらに may を「〜かもしれない」の意味で使うのは往々にして、次の文が but で続くときであり、いわゆる「譲歩」を表す構文のとき
    • Richard may be young, but he is equal to the task.
      • リチャードは若いかもしれないが、その仕事をやる力量はある

35: might

  • might は may の過去形ではない
    • 両方とも「可能性の低い推量」
  • It may rain tomorrow. も It might rain tomorrow. もどちらも「明日は雨が降るかもしれない」という意味でほぼ同じ
    • あえて違いをあげれば may が「50% 推量: 〜かもしれない」で、might は「20 〜 30% 推量: ひょっとしたら〜かもしれない」という違い
    • また might のほうが may より丁寧な感じが出る
      • might は「過去形」ではなく、「遠い形」「人間関係が遠い」から
  • 「〜したかもしれない」と「過去の推量」を表したければ、may(might) have + p.p. を用いる
    • It may(might) have rained last night.
      • 昨夜は雨が降ったかもしれない
  • 「日記をつけることは皆さんが思っているほど難しいものではない」
    • 現在形で書くと Keeping a diary is not as difficult as you think.
      • これだと「日記を書くことは、半永久的に(= 普段から)考えているほど難しいことではない」という意味になる
    • ここに might をいれると「普段は考えないようなことだけれど」という感じになる。might は可能性の低い推量であるため
      • Keeping a diary is not as difficult as you might think.

36: 助動詞 + have + p.p.

  • may の純粋な過去を表したいときは may + have + p.p. か might + have + p.p. を使う
  • さらに「助動詞 + have + p.p.」は「過去を推量する」ものと「過去を後悔する」ものに大別される
  • 過去を推量
    • may have + p.p.
      • 〜したかもしれない
    • might have + p.p.
      • ひょっとしたら〜したかもしれない
    • can't have + p.p.
      • 〜したはずがない
    • must have + p.p.
      • 〜したに違いない
  • 過去を後悔
    • should have + p.p.
      • 〜すべきだった(のに)
    • shouldn't have + p.p.
      • 〜すべきでなかった(のに)
    • ought to have + p.p.
      • 〜すべきだった(のに)
    • ought not to have + p.p.
      • 〜すべきでなかった(のに)
    • need not have + p.p.
      • 〜する必要はなかった(のに)

37: should と had better

  • had better を使う際に気をつけておきたいことは、「〜したほうがいい」のみならず、「しないと大変なことになる!」という含みがあるということ
    • You had better clean up your room; otherwise your mom will be mad.
      • 部屋を片付けたほうがいい。さもなければお前のお母さんが怒るぞ
  • might(may) as well で「〜したほうがいい」を表す場合、「(結果は同じだが)どうせなら〜したほうがいい」となる
    • We might as well walk.
      • これは「バスで行っても歩いて行っても、バスはのろのろ運転だからあまり変わりはない。ならば金もかからないし健康にもよい歩行の方がいいだろう」といった内容のとき使われる
  • ふつうに友人や親しい人に「〜したほうがいい」と言っているのであれば should がもっともよく使われる
    • You should get someone else to do some of the work for you.
      • その仕事の一部を誰かにやってもらった方がいい
    • ought to でも構わないが、should と比べると「客観的」な言い方に聞こえる
    • 逆に should は「主観的」な響きがするので、その分だけ親身になって助言している感じが出る